「ペルソナ3」


ペルソナ3

アトラス

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10点満点で採点して、10点です。

評価が高くなる傾向にある……
いわゆるターゲット層は主人公たちと同じ
高校生などではなく20代以降ではないかと思います。


さて、ペルソナ3……P3の批評に入る前に
私のレビュー姿勢について他人の意見を交えつつ
触れていきます。

先日、飲み会で友人に「君の日記は毒舌だからなあ」と
言われてしまいました。

(いや、私にとっての問題はそこじゃなくて相手の意図を
ちゃんと訊かなかった事にあるのですが)

でも、このゲームは手放しで褒めますよ。

で、褒める時は逆に私の気持ちが凄く入ってるから
「褒めすぎですよ」って言われることも、
しばしばあったんですねえ。

かつて「牧場物語」シリーズをプレイして
「面白い!」と思った私がOHPのBBSで
感想を書き込んだらプロデューサー自ら
「褒めすぎです、○○さん……」と言われてしまったくらいです。

何が言いたいかと申しますと、
あくまで個人のレビューで感情が激しく入ってますので
参考にならないかも、ってことです。

そしてゲームに対しては、やはりどこか
歪な愛情を抱いているのだと思います。
それがゲーム会社への就職という道を選ばせたほどでしたから。

今回のP3の場合は前作まで……つまり
「女神異聞録ペルソナ」「ペルソナ2 罪」「ペルソナ2 罰」とは
一線を画す世界観やノリになっているため、
アンチも相当数存在すると聞いています。

6年ぶりのペルソナなのに今までと違うじゃないか、と。

そういった方が私の批評を見て不快感を感じるのは
仕方ないことだと思います。ですが論議することで
溝が埋まるものでないことも、また事実です。

そんな私の批評は、全般的に辛口になってしまいがちです。
それを承知した上で批評を読んで下さいませ。


さあてさて、P3のレビューと参りましょう。

私の中で、PS2史上、最ッ高ォ!! ……のゲームでした。
皮肉じゃなく本気です。

さて、このゲームの何が面白かったのか。
楽しかったと感じたのか。
どうして10点という点数をつけたのか。
いきましょう。


「おお、○○よ。死んでしまうとは何事か」

この言葉は「ドラゴンクエスト1」で主人公が
敵に敗れた際、生き返らせてもらい王様に
面会するシーンで言われます。

この言葉、おかしいですよね。
○○には個人名が入ります。私の場合なら
「おお、キロクよ。死んでしまうとは何事か」
となるわけです。

はぁ!? って感じでしょ。
知らない人ならば、この言葉が出てくる
シチュエーションすら想像できないんじゃないでしょうか。

死んだ人間が、生き返って王様に面会し
そしてダメ出しされてるんですよ?

小説・映画・アニメ・童話……あらゆる娯楽の中で、
この言葉がゲーム以外では成立しないものであることは
明らかです。

課されるペナルティは、所持金の半額のロスト。

この際に「主人公以外の人間も生き返らせたらいいじゃん」とか
「誰が生き返らせてくれてるの?」といった突っ込みは通用しません。

なぜなら。

それがゲームだからです。
ゲームの歴史などについては様々な本にも載っていますし、
ここまで遊び方が多様化した今となっては定義が難しい、
というのが本音です。

Wikipediaで紹介されている内容としましては……
コチラをご覧ください。

では、何をしたらゲームを遊んだことになるのか。
これは逆に、非常に簡単な結論がでます。
楽しんでしまえば、それがゲームなのです。

かつて私が学生時代に、TRPGを遊んだ時のこと。
初心者向けのルールブックを読んでいて「そっか、そうだよね」と
同意した一文が、まさにこれだったのです。

「いろいろ複雑なルールとかあるけど、
楽しんじゃえばそれがゲームなんだよ!」

これらを踏まえると。

ゲームとは。自分が主体性を持ってその世界に入り、
そこでしかなれない分身(主人公)となって遊ぶ
仕組みのこと……と、定義できるかもしれません。

この際に、いつも私が感じることがあります。
「主人公とプレイヤーの距離」についてです。

ゲームをしている間だけ、その世界の住人になり
その中で目的を果たす為の存在、つまり主人公になれるのが
私にとってのゲームの最大の魅力だと思っています。

だから主人公は目的であるエンディングに必ず辿りつける。
そこに如何なる困難、障害があろうとも
主人公自身が世代交代して子孫に取って代わるなどしたとしても。

必ず。

P3の主人公は喋りません。

喋る内容、言葉をプレイヤーが選ぶことはできても
勝手に喋ることはありません。

喋っているシーンがないわけではなく、
それは漫画やアニメでよくある記号で表現されています。

また感情表現も吹きだしの中に!や?または汗マーク、
ハートマークが入るだけになるわけです。

P3の主人公の名前は決まっていません。

必ずプレイヤー自身が苗字と名前をつけることになります。

そのようにしてプレイヤーが主人公に感情移入し
「自分の分身であること」を刷り込んでいく導入を
しつこいまでに忠実に行っているのが
私がP3を評価する最大の理由です。


大作RPGでよくありがちなのは
主人公はもちろん名前は決まっており、
我々が住む世界とは全く関係のない共通点の見出せない
世界で暮らす人間であること。

その世界の常識を知らないプレイヤーに説明などを
行うこともなく、当たり前に使われている言葉をベラベラと
ご丁寧にボイス付きで喋って「置いてけぼり」にしてくれます。

挙句の果て、そのゲームのゲームとしての売りである筈の
楽しさ……たとえば戦闘システムなどを説明することもなく
勝手にスタートしたり……。

そしていざ、説明書を手に取って開いてみても
自分が勘で触った以上のことは書いておらず、
そこに創意工夫やその先にある達成感を得られないまま続いていきます。

かくして作業感は募り、納得のいかない展開が続いて
プレイを中断、私の場合はゲームソフトショップに売却してしまいます。

(そしてまた違うゲームを買うんですけどね)


話を戻しましょう。

P3の場合、物語は主人公が月光学園(高校)に
転校する前夜から始まります。

両親を早くに亡くした主人公は寮に入ることになったようで、
巌戸台分寮という名の学生寮に入寮します。

そこに到着する予定時刻は遅く、
日付が変わりそうな時間に最寄の駅に到着する主人公。

日付が変わった瞬間、このゲームの世界観の中心を担う
怪異が訪れます。

怪異が起こる時間を、
主人公の仲間たちは『影時間』と呼びます。

日付と日付の間に隠された、普通の人間は
自覚することのない時間。

それを目の当たりにし、不思議に思いながらも
動揺することなく学生寮へと足を運ぶ主人公。

ここら辺は公式HP内に、実際にゲーム中で使われている
アニメが載っていますので見てみると分かりやすいと思います。

時を同じくして、寮では同じ高校の女子生徒が自室で
拳銃らしきものを自分の額に向け、引き金を引こうとして
躊躇っている姿が描かれています。

結局、彼女は引き金を引けないのですが……
主人公が寮に到着して最初に出迎えるのは彼女です。

彼女の名は岳羽ゆかり。

ゆかりは「自殺しようとしていた」にしては、
至って普通っぽい反応で主人公を出迎えます。

不思議ですよね。

しかしその疑問は、直ぐに解けることになります。

シリーズ通しての共通点である
人間が「ペルソナ」と呼ばれる能力を使って
怪異に立ち向かうという設定は今作でも健在です。

そのペルソナを呼び出すための「召還機」が、
この銃なのです。弾ではない何かが銃口から発射され、
それが頭を打ち抜いた時……!

世界各国の神話・伝承・民謡ありとあらゆる逸話に
名を連ねた神々がペルソナという形で姿を現し、
主人公たちに力を貸します。

つまり彼女は自殺しようとしたわけではなく、
ペルソナ使いとして頭を撃ち抜くがごとき行為に
慣れようとしていたわけですね。

ペルソナの種類は、女神転生シリーズからの流れでも
お馴染みのものが多く登場します。たとえば、
メジャーなところではケルベロス・ジャックフロスト・
ガネーシャ・ピクシー・リリム・オーディン・トールなど……。

不思議なことをプレイヤーに、
しっかりと「不思議だ」と思わせておいて、
もったいぶることなく伏線を回収していく展開で
置いてけぼりをくらったようには感じませんでした。

そして、物語の大筋としての伏線と受け皿は
しっかりと最初から配置されています。
それをプレイヤーに忘れてもらわないように、
一定周期ごとにその伏線は現れます。

主人公が寮生活をはじめて数日、何度目かの晩。
満月の夜に、怪異……『影時間』にしか姿を現さない存在
シャドウが寮を襲います。

先輩が食い止めている間に逃げる主人公とゆかり。
しかし逃げた先の屋上で、先回りした巨大シャドウが立ち塞がります。
ペルソナを召還する勇気がない、ゆかり。

彼女の手から離れた召還機を手にする主人公は緊張し
額から汗を流しながらも、引き金を引きます。

まさに:y=-( ゚д゚)・∵;; ターン!!

そして召還される彼のペルソナ「オルフェウス」。
が、しかし!?

オルフェウスを内側から突き破り、謎のペルソナが姿を現します。
力は圧倒的で、巨大シャドウを押さえつけた挙句、剣で真っ二つにします。
表現が許されたなら、そのまま喰らっていたかもしれません。

発現した力を行使したことによって極度に
疲労した主人公は眠りにつきます。

それ以降、主人公は一定の周期ごとに夢の中で
謎の少年と出会います。

彼こそは、主人公が入寮した折に「契約書にサインしてね」と
言った全く謎の存在。(冒頭のこのシーンで名前を決定します)

仲間も増え、謎も深まり、一定の周期ごとに現れる少年が
主人公に語りかける内容も変化していきます。

こういった運び方も上手いと思いました。
謎を何度も違う形で繰り返すことによって、
忘れてもらわないようにする工夫ですね。

主人公と謎の少年の関係は……?

他の誰もがペルソナを1つしか持てず使えないのに、
幾つものペルソナを使いこなせ入れ替える力を持つ
主人公の特別さ、その理由とは……?

主人公に感情移入、その究極である
「プレイヤーが主人公と同化する」という感覚が
僅かでもなければ、そのような物語の謎にも興味は湧かないでしょう。

だがプレイヤーが主人公を操作しゲームを進めていくたび、
「自分が特別な存在である」と、良い意味で勘違いできるように
P3は構築されています。

なぜなら主人公はゲームの目的を達成するための存在であり、
プレイヤーの分身なのだから……。

如何なる困難にも立ち向かい、プレイヤーの選択によって
乗り越え、そして未来を掴み取るのです。

ゲームのコンセプトがハッキリしており、
それを貫くように内容が構築されているという点が
秀逸であると私は感じたのです。

ですが、もちろんそれだけではありません。

「週刊 ファミ通」で読者レビューというコーナーがありまして。
その中の「良かった点」で最も多かった意見は
「音楽がいい」でした。

激しく同意しました。

音楽は非常にいいです。
オシャレです。
このオシャレさは、キャラデザなどにも共通のものを感じます。

ちなみに私の知っている限り、ペルソナ3の音楽は
サントラ以外では流通していないんじゃないでしょうか。

オープニングの曲は「Burn My Dread」
意訳すると「恐怖を掻き消せ」そんなところでしょうか。

サントラは2枚組、ゲーム中に使われていない曲も
1つ入っています。

ゲームをクリアした人間なら必ず記憶に残ったであろう
エンディングテーマ「キミの記憶」もキッチリ入っています。

1日に1回以上は聴いているほど気に入っています。
クリアしたての頃は、聴くだけで泣いてましたもんね。

ペルソナ3特設サイトなるものが、auの携帯サイトで出来ているのは確認しました。
そこで着うたや着メロをダウンロードできるようですね。

(エンディングは分割されてました。着うたフルはないのかな?)

もちろん、月額いくらか払うタイプの会員登録が要るようです。

ただ、サンプルとして着メロのオープニング曲
「Burn My Dread」はダウンロードできました。
けっこうよく出来てましたよ。

私はauユーザーなので、ドコモとソフトバンクは分かりません。悪しからず。

もし時間に余裕があるのでしたら
是非ッ! ともッ!!
プレイして頂きたい逸品だと思います。

P3と(ほぼ)同一スタッフで作られた
SRPG「ステラデウス」もプレイしたくなり、
買おうかどうか迷ったほどです。
(まだですが)


今回のは本気でお勧めしてます。
次世代機のソフトに触れる前に、PS2史上の総決算
とも言うべきゲームを体験してみてはいかがでしょうか。


「ペルソナ3」オリジナル・サウンドトラック

ゲーム・ミュージックアニプレックス

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