「シャイニングフォース・イクサ」


シャイニング・フォース イクサ
セガ
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・イクサの価値は

このゲームが面白いのか、
プレイする価値のあるものか、
それを判断することは非常にカンタンだと思います。

シャイニングフォース・イクサ(以下SFE)の
ジャンルはアクションRPGです。

攻撃ボタンを押して、敵を攻撃してみて下さい。
なぎ払い、ぶっ倒してみて何かしらの手応えを感じた方。
プレイする価値アリです。

といいますのも、このゲームは
その「一つの手応え」を楽しんでもらうために
全てを捧げたゲームだといっても過言ではないからです。

先日50万本の出荷数を達成した
「無双OROCHI」。
このゲームは、あの三国無双・戦国無双シリーズを
斜め上から見下ろしたようなゲームと言ってしまっても
いいと思います。クォータービューですね。

攻撃ボタンをバシバシ押して
敵をドカドカ倒していく感覚が好きな人は
楽しめると思います。

じゃあ私は無双シリーズが好きなのか、と訊かれると
そんなことはないんですよね。
三国無双2拡張パックを少しプレイしたくらいでしょうか。

ナゼ、そんなに好きにならなかったのか。
それは単純に三国志の世界を余り知らないからです。
有名な武将の名前くらいは知ってても、思い入れはないんですよ。

そこで活きてくるのが、オリジナルの世界観やキャラクターです。

新進気鋭のイラストレーターpakoさん
「LUNAR」「グランディア1」のシナリオライター火野峻志さんという
タッグがネオを新生させたわけです。


・シャイニングフォースネオって不評だったの?

このゲームは、シャイニングフォース・ネオを制作した
ネバーランドカンパニーが作っています。

牧場物語の新シリーズ、ルーンファクトリーを制作したのも
同社ですね。続編もファミ通でキャラが載っていましたね。
……シルエットだけでしたけど。

さて、今作はネオのシステムを踏襲したゲームですが、
物語としての繋がりはありません。

イクサの発表時、
販売会社セガ・制作会社ネバーランドカンパニーの方々の
インタビュー記事がファミ通あたりに載っていました。
(電撃PS2かも)

そこでキャラクターデザインが不評だった、と
言葉を選びながらも明確に書いていました。

ネオでキャラデザをされていたのは週刊少年マガジンで
『Harlem Beat』『DRAGON VOICE』を連載していた
西山優里子さん。

女性らしい耽美なキャラはファンタジーRPGには
マッチしなかったのか、不評だったようです。
私はマガジン読者なので特に不満もなく、プレイし
クリアーした一人でした。

だから、その記事を読んだ時に「そうだったのか」と
思ったあと「確かにもっと適任が居たかもしれないなあ」と
考えをめぐらせたのです。

そして、やはり一昔前っぽい…悪い言い方をすれば
古臭い王道のシナリオも「華がない」という否定派ユーザーの
意見に拍車をかけました。

否定しないまでも「地味だ」という意見は、よく耳にしました。


・選手交代…新しいイラストレーターは?

そこで、若干23歳(24かな?)の
イラストレーターpakoさんと
シナリオライター火野峻志の出番です。

セガのプロデューサーは、
pakoさんを起用した理由をこう言いました。

「キャラの目がいい」

この話を聞いていた私は、プレイ中にイラストを見て
「なるほどなあ」と感心しました。
なんというか、見るものの心をグッ! ととらえる力。

キャラクターの人気そのものが売り上げに深く影響する
昨今の市場を見るに、その「目力」そのものが、
訴求力であると言っても過言ではないと思います。


・物語はどうなの?

シナリオは、なるべくプレイヤーを「置いてけぼりにしない」ように
独自すぎる世界観を築かないよう留意されているように感じました。

物語の導入は、主人公のトウマ(男)が
その日の食料を探してイノブタを倒すところから始まります。

「引き抜いた者に絶大な力を与える聖剣シャイニングフォース」を
探す過程で知り合った仲間の食料を取ってこようと
頑張っているわけですね。

腹が減っている、
食料は自給自足だ、
イノブタを倒そう、みたいな
単純で分かりやすい理由から入っていき、
ワケがわからない独自の単語はなるべく使わない。

そんな風に留意された作りになっています。
そして主人公が単純な思考で、また良い意味でバカなので
難しい単語には「〜って何だ?」と、いちいち突っ込んでくれます。

シナリオとして、当たり前の運びなんですけど
こういったところを押さえていないRPGが最近は多すぎる気がします。
特に大作と呼ばれるものほど、そう。

誰でも感情移入しやすいよう、嫌なヤツにならないよう
キャラを立たせるようにも配慮されています。

押さえるべきところを押さえているということは、逆に言えば
勘のいい人に「そうなるだろうな」と思われてしまう程度の展開しか
しないということです。

しかしながらプレイをし続けたくなるように短く
「章」という区切りを入れるなど、非常に芸が細かいと思いました。
そもそも、このゲームは何を楽しむものだったのか。

そう、夢中でボタンを叩く感触…それを繰り返して
頭を真っ白にすること。
ならば、ドンデン返しなど必要ないではありませんか。

私の結論は、交代劇は成功だった。以上です。


・できるだけ作業的にならないように追加されたシステム

いくらボタンを叩く度にキャラクターが攻撃し、
何十、何百という敵をなぎ倒すことが面白いといっても
それをずーっと続けていれば飽きもきます。

作業的になってしまうんです。
それはネオで顕著でした。
そこでイクサでは、ネオのシステムに要素を加えることで
できるだけ作業的にならないようにしたのです。

もしこれが三国無双などであれば、
大きな戦場の中で有機的に変わる戦況を見て
自分で判断しながら行動することになるでしょう。

ところがイクサでは、
基本的に自分の周りさえ安全であれば問題はありません。
そこで加わった要素、それが「防衛戦」と「チャージ攻撃」です。


・防衛戦とは

イクサには主人公が2人居ます。

SFEでは、基本的に自分が動かしているキャラクター以外は
拠点に留まっています。片方が物語を進行させるため、
何かしら遠征します。片方は拠点に留まります。

プレイヤーが動かせるキャラは2人まで仲間……
お供の者を連れていけるので、
それ以外のキャラ+もう1人の主人公は拠点に居るわけです。

今作の拠点……ジオフォートと呼ばれる基地は
常に敵に狙われています。その為、遠征の途中で
襲撃を受けて防衛する必要が出てきます。

遠征……プレイ中に防衛戦が割り込んでくるので、
テンポが崩れるのです。ここは好みの分かれるところでしょうが、
ボタンを連打しているだけの状況は或る程度おさえられたと思います。


・チャージ攻撃

チャージ攻撃というのは、いわゆる「溜め攻撃」のことです。
攻撃ボタンを押し続けることでゲージを溜め、それがMAXになった状態で
ボタンを放すと、いつもより強力な攻撃を出すことができます。

また、攻撃ボタン連打の最中にもチャージすることができます。
チャージ時間……ゲージが溜まるまでの時間は攻撃した回数が
増えれば増えるほど短くなります。

ボタンを連打する手を止めてしまうとリセットされてしまうんですけどね。
つまり。

攻撃ボタンを叩く! 1回、2回、3回、4回目を押し続けると
チャージ開始……溜まった! ボタン放す、チャージ攻撃が出る!
……と、なるわけです。

また、3回以上攻撃してからチャージ攻撃を出して
そのままボタンを押しっぱなしにすると「スペシャル技」なるものが出せます。
MPを使用してしまうのですが、強力な攻撃が使えます。

プレイヤーによっては、このスペシャル技を使うことで
強敵を早めに倒して隠れキャラを仲間にする……といったことも
可能にしたりとか。そういったことがあるわけです。

周りを見てボタンを連打するだけか、何回か押してから
チャージするのかを考える……ここを考えさせることで作業感を
軽減しています。

私からの紹介は以上です。
電撃PS2誌上で、開発者はこう言っています。
「SFEの面白さは、一度プレイしてもらえば分かります」

つまりは、そういうことなのです。
では……最後に残念だった点について少し。


・ここが残念だった

まず、ネオのファンにとっては不満の残る
内容であっただろうということ。

といいますのも、物語の繋がりはないのですが
同じようなマップは多々あるんですよね。
「あれ、これどこかで見たぞ?」っていう。

BGMも同じものが多く使われていて驚きました。

エンドクレジットには「シリーズ音楽:鷺巣詩郎」となっていたので、
いいのかな? とも思いましたが…やっぱり、
一新しても良かったのではないかと思います。

スタッフ的には
「制作時間・費用が足りないので、割けるところは割こう」
という思いと
「ネオは余りプレイされてないから、わかんないんじゃん?」
っていう考えがあったのではないかと思います。

まあ、でもコレは経営的な意図ですよね…きっと。

上記のスタッフインタビューでは次回作を匂わせる発言もありましたので、
イクサの続編を見れる日も近い……かも。