「フロント・ミッション5」


「フルメタル・ジャケット」

このタイトルに聞き覚えのある方は、
いまどれくらい居るのでしょうか。

故スタンリー・キューブリックの映画であり、
名作として知られる作品です。

私、つい2年ほど前まで
この映画の存在を知りませんでした。

連れの家へ遊びに行った時、
DVDで見せてもらったんです。
その時、はじめて「ファミコン・ウォーズ」の
CMの元ネタが分かりました。

こないだ、本屋で「ジジメタル・ジャケット」なる
漫画が置いてあるのを見ました。
内容も何も知りませんが、タイトルを見て笑いました。

簡単にフルメタル〜の内容を紹介しますと、
戦争映画です。

ベトナム戦争を描いた映画で、
物語は大きく前半と後半に分かれます。

前半はベトナムで戦う兵士を送り出す為に
徴兵した若者を兵士にするため鍛えあげるサマが描かれています。

我々、日本人には身近な存在とは言いがたい
軍隊というものがどういうものなのか、その一端を知ることができます。

余りの凄い存在感に、キューブリックが急遽
登用したと言われている鬼教官が出てきます。

「お前らはクソ虫だ!
 これからはクソする前にサー(教官)とつけろ分かったか!
 返事はどうした!?」

「さっ……サー・イエッ・サー!」

てな感じで、鍛えられていくわけですが、
中には「ついていけないもの」も当然でてくるわけでして。
その落ちこぼれが、いったいどんな悲劇を巻き起こすのか。

後半はいよいよベトナム本国での話です。
この映画は、前半部分の『軍隊のノリ』が
引用されることが多い気がします。

名作はどれを取ってもネタとして
引用されることが多いのが特徴の一つです。

そして、このスクウェア・エニックスの看板タイトルである
「フロント・ミッション」シリーズ5作目(正確にはもっとですが)でも
フルメタル・ジャケットのネタが引用されています。

シナリオとしては非常にオーソドックスで、
むしろガンダムSEEDを参考にしたのかと思うような冒頭で
幕を上げます。

ハフマン島を舞台に、引き裂かれた友情。
OCUとUSNに分かれた領土、3人の男と1人の女は否応なしに
敵と味方に別れて戦争に巻き込まれていきます。

このゲームの秀逸なところは、シナリオなどもそうですが
全てがシンプルであるという点です。

そして、ともすれば買った人が二度と
プレイしてくれなくなりそうなシミュレーション特有の
敷居の高さも「10時間におよぶ」チュートリアルで丁寧に説明してくれます。

そしてチュートリアルを終えた時、プレイヤーは
サブタイトルの意味を知ることになるわけです。

その時点でプレイヤーが導き出す……予想するエンディングは、
裏切られることはありません。
マルチエンディングでもなく、無理に変化球を投げてくることもありません。

でも、だからこそ作り手が注力すべき場所に
全てを注ぎ込んでいるのがわかります。

たとえば、戦闘シーンでのヴァンツアーの攻撃の
演出が1ボタンでスキップできたり、また
最初から表示させないようにオプションで変えることも可能です。

基地内を移動するのも、単純にアイコンで表示された
ボタンを選択するだけ。非常にシンプルかつ分かりやすく設計されています。

また、チュートリアルはいつでも閲覧が可能なように
基地にその為のNPCが配置されています。

私は今作FM5が、FM1の正当な続編だと思っています。
1がそうであったように、
主人公と恋人の悲しい運命、
戦争によって左右されるキャラクター達の葛藤。

それが見事に描かれていると思うからです。
私はPS版の2を途中で放り投げてからオンラインを含む
今作以外をプレイしておりません。

ですから強烈な印象を残した「カレン・デバイス」などに代表される
無機物と生命との融合が引き起こす悲しい物語が
描かれている今作をプレイし、
クリアーした後におとずれた感動はひとしおでした。

戦争は悲しい、してはいけない。
銃を手にしたことのない我々の世代だって、それはわかってる。
違うそうじゃない。

この作品はエンターテイメント、娯楽の為の商品です。

時間のない社会人のために、
戦闘中の中間セーブ機能もついています。
1をプレイし、感動した方にはオススメです。