「V フォー・ヴェンデッタ」


『岩窟王。……私の最も好きな映画だ』

映画「Vフォー・ヴェンデッタ」を観てきました。

突然ですが先に言っておきます。
主人公「V」を演じているのはエージェント・スミスです!
劇中では全く気付きませんでした。

よく映画の宣伝で「○○のスタッフが贈る〜」っていう
キャッチコピーがあるじゃないですか。

でも肝心カナメの脚本や監督が全然違う人で、言い方は悪いですが
「テメーこの映画で何やったんだよ」っていう総指揮だけ同じだとか
そういう映画が多いわけなんです。

私が嫌いなパターンとして
ジェリー・ブラッカイマーが製作だけやってるのとか
スティーブン・スピルバーグが製作だけやってるとか
クリント・イーストウッドが監督やってる作品とか!!

はい、私の勝手な意見です。
スルーして下さいね〜♪

この作品でも宣伝の流れは同じで
CMでは「マトリックスのスタッフが〜……」と言い切ってます。
でも嘘じゃありません!

監督はマトリックスと同じ
ウォシャウスキー兄弟ではありませんが、
脚本を担当。これ重要!

でも主演がエージェント・スミスだとは
思いませんでしたけどね。

さて、この映画のポイントはCMや予告編を見ても
なかなか内容が想像できにくい、という点だと思うんです。
別に私ぁ配給会社の回し者じゃござんせんが、
そこを中心に映画のレビューといきましょう。

マトリックスを観て、キアヌ・リーブスのカッコよさや
アニメ・漫画的な奇抜な表現に惹きこまれた方にしてみれば
今作は「マトリックスの方が楽しい映画だった」と思うかもしれません。

実際、この映画の良さは伝わりにくかったようです。

何を根拠にそう言うのか。
どうやら興行成績の数字を見るに
ハリウッド映画としても
ウォシャウスキー作品としても
期待されていたよりも奮わなかったようです。

でも、この映画は私にしてみればマトリックスよりも
響くものがあった。この映画はそう、復讐劇なのだから。
ヴェンデッタという言葉を劇中では「血の復讐」と説明しています。

謎の男「V」は独裁者の支配する未来のイギリスで
政府に立ち向かいます。誤解を恐れず敢えて言うならば
単なるテロリストです。

復讐劇にありがちな「なぜ主人公は復讐するに至ったか」という
過程を描くことで受け手の共感を得て、
主人公が悲しく散ることで涙を誘う……
この映画の面白さはそのようなありふれた手法では
表現されていないように思います。

Vは一体何者なのか分かりますがしかし、ご覧になれば
それは決して重要でないと知るでしょう。

映画が始まって数十分、
私は決して自分に近い存在ではない「V」に
感情移入していました。
もちろん私はテロリストではありませんし、
そのような思想を語り歩いているような過激派とも違います。

でもVを衝き動かす、その力の源に
私は心を奪われたのです。

強く抑えつけられればられるほど、抗いたくなる。
ダメだと言われれば言われるほどしてみたくなる。
禁忌だと警告されればされるほど、冒してみたくなる。

そんな単純な力の作用・反作用がそこにあるように感じました。

CMから得られる情報からは
かけ離れた内容、それがこの映画の評価を下げている
原因かもしれないと私は思います。

かつてウォシャウスキー兄弟が
日本アニメ「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」にインスパイアされ
マトリックスをつくったように……。

攻殻の続編「イノセンス」に影響を受けた
ウォシャウスキー兄弟がつくった作品だとすれば、
おのずと映画の方向性が予想できるのではないでしょうか。

もし単純にスカッとする映画をお探しならば、
私自身まだ観ていませんが「トム・ヤン・クン」あたりを
チョイスした方が、私は無難だと思います。

でも「千と千尋〜」あたりを理解した人は
良きにつけ悪きにつけ伝わると思います。
観てよかったです。
私はオススメします、この映画。